「Open棟梁 wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。
目次 †
概要 †
未だになかなか解決しないこの問題を再検討してみます。
(翌々、考えてみるとコレって、ステークホルダー・マネジメントですね)
詳細 †
信用・信頼の問題 †
信頼関係の構築 †
SIerは基盤に対するリスク感度の高く、基盤の信頼性が重視される。
- 「F2Fの信頼関係が構築できれば浸透する。」ことは解っている。
- 「F2Fの信頼関係を構築する機会をどうやって増やすか?」が課題。
- これは、コストのかからないインターネット展開ではなかなか実現できない。
※ 基盤の信頼性と言っても、実際は、人の信頼性が重視される。
安心社会と信頼社会 †
- 日本式の安心社会では、
相互監視・相互規制などで、信頼ではなく信用の構築するが、これには多大な、
「機会費用」を必要とするため変化の早い時代にそぐわなくなってきている。
- 一方で、大陸型の信頼社会は、
多様な人種、文化、価値観から構成される集団で、
迅速にプロジェクトを立上で伝統的に養われてきた。
サプライサイド・デマンドサイド対立の分析 †
以下、「サプライサイド・デマンドサイド対立」を中心に分析をしてみた。
対立の概要 †
- デマンドサイドは、良いモノを安く調達したい
(出来るだけサプライサイドを買い叩きたい)。
- サプライサイドは、自助努力による生産性向上をしたくない
(出来れば、楽してデマンドサイドに高く売りつけたい)。
デマンドサイド都合 †
- SIの技術面のプロセス資産が無いので良し悪しの判断基準を持たない。
- このため、どのような開発基盤を採用すべきか?の判断ができない。
サプライサイド都合 †
- サプライサイドがプロジェクト型ではない定常業務型のため。
- プロジェクト型にならないとなかなか横串が通らない。
- 生産性向上プロジェクトとしないと、なかなか浸透しない。
フロントオフィス・バックオフィス対立 †
「利他的な人」は嫌われる †
バックオフィス系の仕事はKPIが売上ではないので、
コンプライアンス、CSR、利他的行動、に終始するが、
フロントオフィスから見ると、これは煙たくもある。
※ 参考:「利他的な人」は嫌われる:実験結果|WIRED.jp
経営と事業 †
- 大手のサラリーマン社長は、
- 経営と事業を区別していない可能性。
- 出身部署以外の事をあまり知らない。
- 全体最適化やトランスフォーメーションは苦手。
数を絞って、マーケティング、設計、調達、生産、物流、販売を一体でやる事業と、
商材やアカウントSEが多すぎる事業を比べると、後者は労働集約的と言えるかも知れない。
内部抗争・セクショナリズムの類 †
デマンドサイド内 †
不明(情報求む)
サプライサイド内 †
...
- フロントオフィス内
セクショナリズムによって、信頼が横展開(浸透)されない。
- 伝統的な垂直統合型メーカ、「XXX部ばかり儲かるから」等々で、
商材を絞れない感がある(なんて、新しいSaaS商材を見ながら考えた)。
- 自称パッケージのSIテンプレートって、
営業 / 受注 / 囲いツールになってて、逆に生産性が下がってないか?
要約すると、部門間で売上競争をしている状態がセクショナリズムを産む。
※ 全社施策は、多数のフロントの最大公約数程度の規模でしか打てない。
- バックオフィス内
セクショナリズムがあるので、施策自体がリソース面での競合を起こす。
- マーケットがフロントオフィスの営業範囲に限られるので、
バックオフィス内で施策選択時に縄張り争いが発生する。
- 売上から開放され本質的な価値に注力できる筈が、価値が追求されない。
- 施策やプロダクトの良し悪しに関係なく縄張りの広いほうがKPI的に勝つ。
- その他、KPI数値の出易い(アピールし易い)施策が選択される。
- また、KPIが明確ではない場合、仕事は無いほうがイイと判断される。
- 全体的にKPIのフォローが緩い事が多い。
難易度の高い、ミッションに沿った価値創造のマネジメントより、
難易度の低い、役割分担上の機能部門の管理業務を重視する。
SNSなどの反響を用いた分析 †
人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである †
目的があって、手段があって、その結果のごく一部に「承認的な何か。」がある。
- 目的の達成を最重要視すベキ。
- SNSの反響などは、手段や結果に対するモノなので、無視して良いレベル感。
- 目的の周辺にエコシステム(自己受容・他者信頼・他者貢献)を構築する。
※ 参考:「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」の要約
誹謗中傷記事には大きなニーズがある †
ニュースリリースの際にtweetを & 分析して思ったことは、
肯定的なtweetが8割で、否定的なtweetは少数派だったが、
数年後、再エゴサしてヒットするのは、否定的なtweetが大多数で、
肯定的情報より、否定的情報の方が情報のニーズが高いコトが解る。
SES, 派遣, 個人事業主の特徴 †
SNSなどでは「SES, 派遣, 個人事業主」と発注元との
サプライサイド・デマンドサイド対立が観測できる。
- 武器商人は兵器を開発するが、傭兵は兵器を開発しない。
- 個人のスキル向上に注力し、組織の生産性向上に寄与しない。
開発基盤の開発と展開は組織的な取り組みになるので、個人との相性は悪い。
と言う言葉を造ったりしましたが、
SES, 派遣, 個人事業主が尊ぶのは前者になる。
参考 †
OSSコンソーシアム †
2018年度 第3, 4Q は「サプライサイド・デマンドサイド対立」を分析してみました。