「Open棟梁 wiki」は、「Open棟梁Project」,「OSSコンソーシアム .NET開発基盤部会」によって運営されています。
目次 †
概要 †
Open棟梁と内製化との親和性について説明します。
企業システム内製に適合する理由 †
実績 †
- Open棟梁は、SI事業で産まれたSIerの治工具ツール(エンタープライズ・システムの開発基盤、開発支援ツール)です。
- 特に、ミッション・クリティカルなエンタープライズ・システムを中心にQCDFの向上を図ってきました。
特徴 †
- EUCツールとはSTPが異なり、高い柔軟性・拡張性を持つ、高品質・高信頼性のシステムの開発が可能です。
- 従って、SI事業でだけでなく、SES(システムエンジニアリングサービス)、内製などでも活用可能です。
オープンソース・ライセンスの適用 †
- Open棟梁は、Apache License Version 2.0を採用しており、商用利用が可能です。
- 昨今、テクノロジの多様化に伴い、1社だけで開発基盤を開発するのは困難になってきました。
- Open棟梁は、Github上での開発を行っています。自由に、開発プロジェクトへ参加できます。
- これにより、開発プロジェクトに参画する企業間でのツール・ライブラリ再利用や技術情報の共有が可能になります。
プロジェクトのコンセプト †
- 昨今、SoR (※1) だけでなく、SoE (※2)、SoI (※2) などへのサポートも拡大しています。
- 今後、ますます複雑になると予測される企業の情報システムを標準化することができます。
※1 : SoR (Systems of Record) : 従来の基幹系システム
※2 : SoE (Systems of Engagement) : バリュー・チェーンを強化する繋がりのためのシステム
※3 : SoI (Systems of Insight) : 新たな知見から洞察を得るためのシステム
企業システム内製化の行方 †
内部システム・事業システム †
内部システムのパッケージ・サービス化 †
- 汎用的な内部システムはパッケージ導入やサービス利用が進みます。
- このため、情報システム部門の体制は、徐々に縮小していきます。
事業システムの内製化 †
事業のデジタル化が進み、個別の事業に関するシステムは事業部毎の内製化が必要になります。
新規事業の開発 †
1社で出来る事は限られるため、新規事業の開発では複数社での協創が行われるようになります。
技術のトレンド †
技術の多様化はますます進みます。
OSSによるコモディティ化 †
- 技術が多様化してもカジュアルに利用できなければ意味が無いので、
これらの技術はOSSとしてコモディティ化された状態で展開されます。
- プロダクト化される開発ツールは、有償且つニッチで、使用され難いため、
帳票ツール等、一部の開発ツールを除いて、有償の開発ツールは減少するものと思われます。
開発技術 †
- Closedなツール・ライブラリ(社内ツール・ライブラリ)は、
- 「知識の公共財」としての特性を持ち、且つ、予算・対価の獲得・展開については「企業内部の仕組み(外部性)」に依存します。
- また、上記に加えて「情報の非対称性」により、「市場の失敗」が生じ「パレート効率」的な結果が実現できなくなる確度が高まります。
- 具体的には、以下のような理由で採用される機会が減少します。
- そもそも人目につかないため機会が少ない。
- 個別のライセンス(使用許諾)が解り難く、且つ個別契約が必要になる。
- 技術情報がネットに掲載されていないため、セルフサポートが困難。
- 上記の問題に加え、フリーライダーの問題が起き、最終的に供給過少となる。
インフラ技術 †
インフラ技術も複雑化しますが、OSSによるコモディティ化が進みます。
- ハードウェアの取り扱いはクラウド事業者/データセンター事業者の仕事になります。
- 一方で、ソフトウェアであるサーバーは仮想化され、
自動化スクリプト・ツール、Software-Defined XXXなどの技術が進歩すると思われます。
技術者の確保 †
- 技術の多様化により、技術者の確保がますます難しくなります。
- 人材が不足するだけでなく、技術者自身も多様な技術に追随するのが困難になります。
ツール・ライブラリ再利用や技術情報の共有 †
ユーザ企業1社では賄えず、
- 昨今、Qiitaなどの技術情報共有サービスが利用されるようになってきています。
- このため、複数社でツール・ライブラリの再利用や、技術情報の共有をするようになります。
SI事業の行方 †
パッケージ・サービスへのシフト †
パッケージ・サービスへのシフトは継続的に行われて行くモノと思われますが、
多くのパッケージ・サービスは、メジャーで競争力のあるパッケージ・サービスに淘汰されます。
受託開発からオンサイト対応へ †
- 事業システムは、ユーザ企業により開発・保守・運用されます。
- このため、今後、受託開発は減少し、クラウド・スマホなどの複雑な技術のオンサイト対応が増加すると思われます。
オンサイトのサポート †
この事業システムの開発・保守・運用のオンサイト対応は、マルチベンダで行われることが増えます。
OSS †
- Closedなツール・ライブラリは「前述の問題」により導入することが困難になります。
- オンサイトのメンバに使用可能な設備の提供が求められますが、今の所、OSS化以外に解はありません。
技術情報 †
- Closedな技術情報はプロジェクトメンバへの展開・説明が困難になります。
- オンサイトのメンバも基本的に情報収集にインターネットを活用しているので、
技術情報もインターネット公開が望ましい。ということになります。
差別化 †
- 技術面で差別化する要素が無い場合、SES、人材派遣会社と大差が無くなってきてしまいます。
- しかし、オンサイト案件にツール・ライブラリや、技術情報を
インターネットなどで不特定多数に提供しようとすると、差別化できなくなる可能性が指摘されます。
- 実際には、ツール・ライブラリや、技術情報のオープン化によって「情報の非対称性」を無くしても、
実際にサポートできるエンジニアを確保しておけば優位性を保ち差別化ができ、全体の最適化が可能です。
参考 †